パンデミックによる消費変化、マッキンゼーの調査で明らかに~オンライン消費人口が増え、対面サービス業もデジタル化

新型コロナウイルス・パンデミックを受けてオンライン販売が急激に進み、米消費者の行動が大きく変わった。また、そういった変化は、パンデミック収束後も続くと予想される。

ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたマッキンゼーの調査報告によると、コーヴィッド19(COVID-19、新型コロナウイルス感染症)の影響によって米消費者の75%は新たな買い物方法を試している。また、消費者の半数以上はパンデミック収束後にも店頭引き渡しやオンライン食品購入の利用を続ける考えだ。オンライン購入した商品を店で受け取る方法を続けるという消費者の割り合いは約70%に達した。

10年かかったであろう電子商取引のさらなる普及が3ヵ月で実現した、とマッキンゼーは報告した。

ミズーリ州に住む元会計士の男性(81)は、オンライン注文した食品をウォルマートの店外で受け取るようになり、「とても便利で簡単。店の中に行くことは二度とないだろう」と話した。

コーヴィッド19による都市封鎖や接触回避、そのほかの影響によって、多くの消費者は、車の購入を含む買い物や医療サービス、ヨガのレッスン、各種の個別指導サービスをオンラインで試すことを余儀なくされ、その結果、電子商取引に不慣れだった人々がオンラインに移行した。かたや提供側(会社、業者、個人事業主、フリーランサー)もサービスのデジタル化を推進している。

ファッション・ブランドのカルバン・クラインやトミー・ヒルフィガーの親会社PVH のステファン・ラーソン社長は、「パンデミック前のような買い物の仕方にもどることはない」とみており、新たなデータ・システムや倉庫機能効率化ソリューションの導入を推進中だ。

また、非接触型の支払いも加速している。サンフランシスコ連銀が7月に実施した調査では、回答者の28%がパンデミックのために現金の使用からカード決済に移行したことがわかった。もともとカード決済が普及していた米国でそれがさらに浸透した。

マスターカードでは、2020年第3四半期に世界の対面商取引の41%を非接触型決済が占め、前期の37%、前年同期の30%から増加した。

そのほか、運動でも人々の行動が変わり、密接を避けるためにジムから自宅に運動場所が移り、各種の運動器具を買うだけでなく、逐次配信によるオンライン受講に移行した人が激増した。

家庭用フィットネス機器販売大手ペロトン・インタラクティブ(Peloton Interactive、ニューヨーク州拠点)は、第3四半期の売り上げが前年同期比3倍超の7億5790万ドルに達した。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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