日本クラブWebギャラリー「海を渡った華麗な磁器 『オールド・ノリタケ美の架け橋』」展を開催

老女キセル図コーヒーカップ(明治時代)

明治以降、社会が劇的に変化した中で、日々の仕事に誠実に向き合った日本人の陶工たちの作品への思いは食器や美術品となって主にアメリカに向けて輸出された。それらは「オールド・ノリタケ」と総称され、アメリカ社会で受け継がれ愛されてきた。

デコ・レディ香水瓶(M-JAPAN 印。1921-1941頃)

明治以降の日本の近代輸出磁器は、当初、裏印に国名がNipponと記されていたため、現在アメリカでは“Nippon”と呼ばれ、美術品として珍重されている。“Nippon”は高い関税障壁を乗り越え、合衆国内で驚異的な販売実績を誇り、1920年頃からは原産地国名を“Nippon”から“Japan”へと変更した。ちょうどその頃、それまでヨーロッパの芸術や流行を好み尊んでいたアメリカ市民は、自分たちが作り出したアメリカン・アール・デコの魅力に気づき熱狂する。日本の輸出磁器も、それまでの異国趣味からアメリカン・アール・デコへと意匠を変えていく。

本展は、日本を代表する輸出陶磁器の研究家である井谷善恵博士(東京藝術大学特任教授)の監修により開催される。“Nippon”と呼ばれた前半と、アメリカン・アール・デコを中心とした後半に分けてその変遷をたどる。

日本クラブWEBギャラリー企画展
海を渡った華麗な磁器 「オールド・ノリタケ美の架け橋」展

■会期:2021年11月18日(木)〜12月29日(水)
■場所:日本クラブWEBギャラリー
■詳細:https://nippongallery.nipponclub.org/
■問い合わせ:gallery@nipponclub.org

バーチャル・オープニング・レセプション参加者受付中

レセプションでは「近代日本輸出磁器の煌めき」と題し、井谷善惠博士が講演を行う。また、エンターテイメントとして、邦楽演奏家の麻生花帆氏に能や歌舞伎で使われている小鼓の楽器の話、お囃子の話などを通じて小鼓の魅力について話を聞く。

・開催日時:2021年11月18日(木)7:00-8:00pm (EST)
・定員:先着500名
・参加費:無料(任意で医療従事者への弁当プロジェクトへ寄付)
・申し込み:www.nipponclub.org
または https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_H1UKY4JnTUKXWYXvWXHS4A
・問い合わせ:gallery@nipponclub.org

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