人工知能開発を手がける新興企業のリレーショナルAI(RelationalAI)は6月27日、クラウド・データ・ウェアハウスの大手スノーフレイク(Snowflake)のための新機能を発表した。
ベンチャービート誌によると、「コープロセッサー」と位置づけられるその新機能は、リレーショナル・ノーレッジ・グラフや異なるアルゴリズムを組み合わせたコンポジットAIをスノーフレイクのデータ管理プラットフォームにもたらすものだ。
コープロセッサーは、29日まで開催中のスノーフレイクの年次会議「スノーフレイク・サミット」で発表され、リレーショナルAIはその試験版の提供を開始した。
同機能は、企業向け人工知能のための総合的プラットフォームになることを目指すスノーフレイクの姿勢を示している。それに対しリレーショナルAIは、データ・クラウドや言語モデルと統合してノーレッジ・グラフやデータ上のセマンティック・レイヤーを構築するためのアプリケーション提供を目指している。
コープロセッサーは、スノーフレイクの利用者らがスノーフレイク内でノーレッジ・グラフを作成して予想分析を実行できるようにする。不正取り引きの検出や供給網最適化をはじめ、さまざまの人工知能機能をスノーフレイク内で実現できるようにすることを意味する。
コープロセッサーは、スノーフレイクが同サミットで発表した新機能「スノーパーク・コンテイナー・サービシズ(Snowpark Container Services)」を活用したデータ・クラウド上で動作する。スノーパーク・コンテイナー・サービシズは、第三者のソフトウェアやアプリケーションをスノーフレイクのアカウント内で使えるようにするもので、セキュリティーの面で妥協せずにデータの価値を高めることができる。
リレーショナルAIは、金融や小売、通信といった業界の大手数社が早期導入顧客になっていることを紹介した。
「言語モデルのすばらしい点は、一般的な質問をした場合に、社内情報を参照して即答できることだ」とリレーショナルAIのモルハム・アレフCEOは話す。たとえば「『この電話会社は不正取り引きで昨年にいくらの損失を出したか』のような質問をしても、会社の財務データがなければ答えられないが、そのデータがどこにあるかを示して質問すれば、その質問をSQLクエリーに翻訳して答えることができる」と同氏は説明した。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ
-
米国特許商標庁、出願者らの個人住所流出が再発 〜「不注意」が原因、影響を受けた人たちに通知