人工知能ツールの会議議事録作成機能に要注意 〜 内輪の会話を顧客に送信してしまう失敗が増加

オンライン会議中に人工知能ツールで議事録を取ることが増えるにつれ、思わぬ失敗を犯す人たちが増えている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、デジタル販促サービス会社に勤めるティファニー・ルイス氏は、最近その種の失敗をした一人だ。同氏は、無料で引き受けてほしいという案件の打診をある潜在顧客から受けたため、オンライン会議を何度か設定したものの、相手が現れななかった。同氏は、最終的に会議を仕切り直した際に、人工知能アシスタントが記録係として参加する仮想会議室にその潜在顧客を招いた。同氏は相手が来る前に、「この人、ナイジェリアの王子さまか何かのつもりでいるのかしら」と冗談をつぶやいた。会議の終了後、そのひとりごとが議事録として相手にも送信されたという。

かたや、ブランディング会社ステューディオ・デルガー(Studio Delger)をナッシュヴィルで経営するニコールとティム・デルガー夫妻は、ズーム会議のあと、仕事とは無関係の要約内容をズームの仮想執事から受け取った。「ステューディオ・デルガーはパブリックス(食品店の名前)からサンドイッチの材料を購入する可能性について議論した」「スープは好きではない」という内容だった。

デルガー夫妻は、会議相手が現れなかったため、昼食に何をつくるかについて雑談していた。さいわい、その議事録は相手には送られなかった。

コミュニケーション代理店のアカウント戦略コーディネイターを務めるアンドリア・セラ氏の場合、オンライン会議が始まる前に、サツマイモの新しい調理法をためしたら火事になりそうだったことを参加者らにおもしろおかしく話したところ、その雑談内容を箇条書きした要約が配信された。

人工知能ツールがオンライン会議の会話内容を要約して配信することで生産性向上が期待されるが、その種の技術には改善の余地がまだまだある、と多くの人たちが指摘している。会議中には、場を和ませる意味で私生活の雑談をしたりすることも多い。それらがすべて、戦略や行動計画に交じって議事録にされてしまうためだ。

ズームの仮想執事「AIコンパニオン(AI Companion)」は、2024年1月末の時点で720万件を超える会議の要約を生成していた。AIコンパニオンが作動中かどうかは画面に表示され、会議参加者らがホストに対してその使用停止を要請できる。グーグルのオンライン会議プラットフォームでも、人工知能が会議記録を取っている場合にはそれが表示され、ホストまたはホストと同じ会社の従業員がそれをオフにすることができる。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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