【ニューヨーク不動産最前線】ニューヨークの冬と暖房事情

ニューヨークでも紅葉が始まり、そろそろ冬の足音が聞こえてきました。ニューヨーク州では、寒い季節に家主が暖房を提供するのが法律で義務付けられていて、ニューヨーク市では毎年10月1日から翌年5月31日までが公式のヒートシーズンです。この期間中、昼間(午前6時~午後10時)は外が華氏55度(約12.8℃)以下だと、室内を華氏68度(約20℃)以上に保つ必要があります。夜間(午後10時~午前6時)は、外の気温に関係なく華氏62度(約16.7℃)以上を維持しなければなりません。

こうした基準はニューヨーク市住宅保全開発局(HPD)がしっかり監視しています。もし部屋が寒すぎたり暖房がつかなかったりする場合は、まず家主に連絡。それでも解決しなければ、311やアプリ、ウェブサイトから苦情を送ることができ、HPDが調査して必要なら罰金や強制措置が取られます。

ニューヨーク市以外の郊外では、郡ごとに少しルールが違います。たとえば、マンハッタンの北にあるナッソー郡やサフォーク郡では夜間の最低温度は65°F(約18℃)、ウェストチェスター郡では60°F(約15.5℃)です。また、温水は一年中最低華氏120度(約49℃)を供給する義務があり、蛇口からお湯が常に出るようにすることも法律で決められています。

古いマンハッタンのビルでは、エアコンがなくても各部屋にラジエーターがあり、ビル全体で温水や蒸気を回して暖房を供給します。ラジエーターはシンプルですが、とても効率的で冬の寒さをしっかり防いでくれます。セントラルボイラー方式のおかげで、居住者が個別に暖房を用意する必要もなく、ビル全体で快適な室温を保てるんです。

私が初めてニューヨークに来た1995年、ハドソン川には流氷が浮かび、毎日のように雪が降り、気温はマイナス10℃以下の日も珍しくありませんでした。「とんでもないところに来てしまった…」と思ったものです。2000年代以降は雪も少なくなり、気温も少し上がりましたが、ニューヨークの冬は日本の北国の冬に近く、東京や西日本の冬より体感温度は低く感じます。とはいえ、法律と設備のおかげで古いビルでも室内はしっかり暖かく、寒さを心配せずに冬を過ごせるのはさすが北国ならではだな、と毎年思います。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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