がん細胞増殖防止に効果 酵素の抑制で
- 2013年5月29日
- 日本発ニュース
【共同】がん細胞を大きくさせる酵素の働きを抑えると、細胞の増殖の抑制にもつながることを、愛知県がんセンター研究所(名古屋市千種区)の稲垣昌樹部長らの研究チームが突き止め、29日までに英科学誌電子版に発表した。稲垣部長は「薬に応用すれば、少ない副作用で病気の進行や転移を食い止めることができる」としている。
研究チームによると、がん細胞は、細胞自身が大きくなる成長と分裂を繰り返して増殖する。これまでの研究で、分裂には「Plk1」という酵素が働くことが分かっていた。しかし、Plk1を薬で直接抑えると、副作用が強くなることが懸念されていた。
チームはがん細胞を大きくする「Akt」という酵素に着目。遺伝子操作でAktが働かない状態にして、子宮頸がんの細胞を培養した。その結果、細胞の成長が止まっただけでなく、分裂に通常の平均約5倍の時間がかかった。死滅するがん細胞もあった。
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