バッテリー製造のエキサイド、更生手続き申請

 自動車用バッテリー製造大手エキサイド・テクノロジーズ(Exide Technologies、ジョージア州)は10日、破産法第11条による会社更生手続きの適用をデラウェア州の破産裁判所に申請した。資金繰りの悪化が理由。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、同社は8月に3100万ドルの金利支払い期限が迫っているほか、9月には約5200万ドルの転換社債が満期になる。裁判所の管理下で経営再編に取り組む間もバッテリー生産は続ける予定で、ジム・ボルチ最高経営責任者(CEO)は「現時点で新規の施設閉鎖計画はない」と述べた。今回の申請は国内事業だけが対象で、同社は11年前にも同法の適用を申請している。

 エキサイドは、自動車、ボート、その他の機械用に「エキサイド」や「ノーススター」などいくつかのブランドで鉛蓄電池を生産しており、自動車メーカー、部品メーカー、小売店などを顧客に持つ。80カ国以上で約1万人を雇用し、資産は約19億ドル、負債額は11億ドル。

 ボルチCEOによると、営業資金、事業関連の投資、業務継続費などの経営再建資金として、JPモルガン・チェイスから5億ドルのつなぎ融資を取り付けている。資金繰りが悪化した要因の1つは、小売り大手ウォルマート・ストアズによる同社製品の購入停止。ウォルマートは2010年にエキサイドの同業ジョンソン・コントロールズと輸送機関用バッテリーの独占供給契約を結んだため、エキサイドは年間約1億6000万ドルの収入を失った。

 また、カリフォルニア州の同社の鉛再生施設で、雨水処理システムが州規制違反との理由から閉鎖を命じられ、EBITDA(支払利息・税金・減価償却・償却控除前利益)が当初予想より約2400万ドル減少する見通しとなったことも響いた。

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