北米供給網、需要の対応に不安〜サプライヤー、増産に慎重

 北米の自動車市場が回復を続け、新型車の投入が始まる中で、供給網が需要の上昇に対応できるかどうか不安視する見方が強まっている。

 IHSオートモーティブによると、2013年の米新車販売は1500万台、北米生産は1600万台、15年には1700万台を超える見通しだ。

 08年から09年にかけての自動車業界における合併・統合や相次ぐ経営破綻、リストラを通じ、サプライヤーは生産能力の引き上げに慎重になっている。

 自動車メーカーは、市場の回復と需要の対応に機敏な動きをみせている。フォードの調達部門は毎週、サプライヤー担当者と会ってシフトの追加などを協議。12年には40万台、13年には20万台分の生産能力を上乗せした。

 IHSのマイケル・ロビネット取締役によると、12〜16年には世界で500車種が投入される見通しだ。1年では約135車種で、11年の100車種、10年の85車種を大きく上回る。

 「サプライヤーがこのペースに対応できなければ、投入の勢いが鈍化し始める可能性がある」とロビネット氏は警告する。

 メーカーは、ティア1からティア3に及ぶサプライヤーに対し、製品の補償やリコール(回収・無償修理)に伴う責任分担の要求を強めている。このため、利ざやの小さい部品をめぐってサプライヤーとの間で軋轢を生むケースも予想される。

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