アジリスとトレイン、業務提携で成果 〜空調のスマート化で省電力に貢献
- 2013年8月21日
- 環境ビジネス
空調機器大手のトレイン(Trane)は、建物エネルギー管理技術を手がける新興企業アジリス(Agilis)の技術を活用することで成果を上げている。
グリーンテック・メディア誌によると、アジリスは、ソフトウェアを使って建物をスマート化する技術を手がけており、これまでに大手企業顧客を数社開拓してきた。トレインは以前からの提携先で、中核製品のトレイン・エネルギー・オプティクス(Trane Energy Optics)でアジリスの技術を導入している。
エネルギー・オプティクスは、メーターから一定間隔で取得したデータや気象データ、さらには建物内の占有および使用状況といったデータを使って、建物のエネルギー関連基本状況説明を作成する。
エネルギー情報を視覚化する方法はいくつもあるが、アジリスでは、立体的な画像で建物の状況変化を数週間、数ヵ月にわたって示す方法を用いている。それをもとに、2社の担当者がエネルギー浪費の傾向や特徴を特定する。
2社は北米市場で過去1年ほどにわたって協力関係を築き、トレインの自社ビルをはじめ、そのほかのオフィス・ビル、学校、公共建物、病院、メーカーの顧客にエネルギー・オプティクスを導入してきた。
「アジリスの技術は、データを非常に簡潔な報告書に変えるという点で非常に役立つ」と、トレインの戦略事業開発担当副社長ショーン・マックブライド氏は話す。
ただ、分析結果を把握することは、建物の省エネ化の第一歩でしかない。改修工事や是正措置にどれだけ費用がかかり、どれだけの効果を達成できるかを知ることが、第二のステップとなる。
アジリスとトレインは、カリフォルニア州のある市で、行政府の建物と公立の学校を対象に、可能な省エネ対策とその投資回収率(ROI)を提案した実績がある。
アジリスにとって、トレインのような大手と関係を構築することは、市場拡大の重要な足がかりとなる。トレインは、大型空調機器を北米の1100の建物に導入しており、大量のデータを取得している。また、アジリスは、英国市場でもエネルギー・サービス企業との協力事業を開始しつつある。
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