シュナイダー、インヴェンシスを買収へ 〜産業制御事業で競合社に対抗
- 2013年8月14日
- 環境ビジネス
フランスの電力機器大手シュナイダー・エレクトリック(Schneider Electric)は、イギリスの産業制御システム大手インヴェンシス(Invensys)を52億ドルで買収する。
グリーンテック・メディアによると、シュナイダーがインヴェンシスを買収するという予想は7月初めに報じられており、インヴェンシス買収で競合する可能性がある企業として、エマーソンやシーメンス、ゼネラル・エレクトリック、ABBの名前もささやかれていた。
最終的には買収合戦は起こらず、シュナイダーが34億ポンド(52億ドル)で買収契約に合意した。買収手続きは2013年第4四半期に完了する見通し。
ブルームバーグは、シュナイダーが買収費用を賄うために25億6000万ポンド(36億ドル)の融資を調達する計画だと先日報じた。
シュナイダーは、スマート・グリッドおよび電力機器の分野で大手の地位を築いている。インヴェンシスを買収することで、石油やガス、石油化学、鉱山、製薬といった業界の産業制御関連の顧客を獲得する。
シュナイダーは2006年にアメリカン・パワー・コンヴァージョン(American Power Conversion)を62億ドルで買収しており、今回の買収はそれ以来最大の買収となる。
その間、多数のスマート・グリッド関連資産を取得しており、2011年にはエネルギー管理を手がけるサミット・エネルギー(Summit Energy)を2億6800万ドルで買収、やはり同年に、産業自動化情報技術を手がけるテルヴェント(Telvent)を20億ドルで買収している。
シーメンス(独)やABB(スイス)といった欧州の競合も、買収を通じて産業制御分野の事業を強化している。ABBは2010年にヴェンティクス(Ventyx)を10億ドルで買収して原子力関連の産業制御システムを取得した後、鉱山ソフトウェアを手がけるミンコム(Mincom)も2011年に買収した。
シーメンスは産業自動化分野の大手で、同業界の専門企業を複数買収してきた。素材関連ソフトウェアを開発する米国のヴィステジー(Vistagy)を2011年に買収したほか、2012年に3DソフトウェアのVRコンテキスト(VRcontext )、シミュレーション・ソフトウェアのLMSインターナショナル(LMS International)、さらにベルギーの企業2社を買収している。
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