レノボ、業務用サーバー事業を本格化 〜 欧米の企業IT市場開拓を最優先
- 2013年12月5日
- ハイテク情報
中国のコンピュータ製造大手レノボ(Lenovo)は、企業向けサーバー事業の拡大に注力している。同社は現在、事業拡張に向けて買収先を物色しているとみられる。
コンピュータワールドによると、レノボは2008年に、パソコンの生産と販売に加えてサーバー市場に参入したあと、2012年には、エンタープライズ・プロダクト・グループを新設して企業IT事業を本格化させた。
同事業部門では、企業向けサーバー販売のほかに、企業買収や業務提携を通じて業務用ソフトウェアや企業通信網、ストレージを含めた企業IT事業を拡張する。
レノボはまた、IBMのx86系サーバー事業を買収するためにIBMとの交渉を進めているとも噂されている。
調査会社のガートナーによると、レノボはパソコン・メーカーとして世界最大手に躍進したが、サーバー市場では存在感がない。
調査会社のIDCによると、2013年第3四半期における世界サーバー市場(販売台数ベース)において、レノボは5万7929台で業界9位にとどまる。同期における首位は、66万9103台を売り上げたヒューレット・パッカード(HP)。
レノボが提供するサーバー製品は、シングルおよびダブル・ソケットのタワー型およびラック型。同社は2014年初めに、ツーウェイ・サーバー製品米国市場に投入する計画を進めている。
レノボでは、競合社との差別化を図るために、柔軟な選択肢を提示することに重きを置いている。たとえば、企業各社は、各種の製品ごとの技術仕様一覧で仕様項目に印をつけるだけで希望仕様の機器を調達できる。
IBMやHP、デルの場合、サーバーやソフトウェア、通信網システム、ストレージをパッケージ化して販売しており、購入企業が独自の仕様を指定することはできない。
レノボでは、オラクル(Oracle)やEMC、シトリクス(Citirix)、レッド・ハット、マイクロソフトといったソフトウェア大手と提携することで、購入企業側の仕様要望に柔軟に対応できるようにしている。
レノボは近年、中国市場依存から脱却するために欧米市場への進出を優先事項として位置づけている。その一環として、総額1億ドルを投じて欧米企業市場向けソフトウェア開発センターをブラジルに開設する計画を進めている。
同センターは、レノボが昨年新設したエンタープライズ・プロダクト・グループで販促する業務用ソフトウェアを開発する。
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