ソーラー・パネルのソフト・コストは64% 〜 国立研究所の報告書で判明
- 2013年12月16日
- 環境ビジネス
国立再生可能エネルギー研究所(NREL)は、太陽光発電のいわゆる「ソフト・コスト」の見積もりを示した新しい報告書を発表した。
グリーンテック・メディア誌によると、ソフト・コストとは、ソーラー・パネル設置にあたって必要となるハードウェア以外のコストを指す。融資コストもそれに含まれる。ハードウェア価格が値下がりしたことから、同業界ではソフト・コストの削減が重要視されるようになった。
NRELの報告書「Benchmarking Non-Hardware Balance-of-System (Soft) Costs forU.S. Photovoltaic Systems」では、個人住宅用ソーラー・パネルの場合、総コストに占めるソフト・コストの割合は最大64%、商業用の場合は57%と指摘。
また、NRELのもう一つの報告書「Financing, Overhead, and Profit: An In-Depth Discussion of Costs Associated With Third-Party Financing of Residential and Commercial Photovoltaic Systems」では、第三者が設備を保有するモデルを利用すると、個人住宅用で1ワットあたり最大78セント、商業用で同67セントのソフト・コストが付加される可能性があるとされた。
個人住宅用ソーラー・パネルの64%というソフト・コストの割合は、2012年上半期の時点の数値。前年同期は50%だった。また、商業用の57%は、前年同期の52%から上昇した数値となった。
個人住宅用ソーラー・パネルのソフト・コストの内訳は、下記の通り。
*供給網コスト:1ワットあたり61セント
*設置費用:1ワットあたり55セント
*顧客開拓費用:1ワットあたり48セント
*企業の間接コスト:1ワットあたり47セント
そのほかのソフト・コストには、許可取得、検査、接続、補助金申請、システム設計のコストがある。
二つ目の報告書では、第三者保有型に特化し、融資コストや人件費、利益を調べることで、そのほかのソフト・コスト部分を精査。第三者保有型では、個人住宅用ソーラー・パネルの総コストが1ワットあたり4ドル52セント、商業用が同3ドル66セントとはじき出された。
いずれも直接保有型より割高になるものの、それはあくまで設置時のコストである点を報告書は指摘。第三者は、設置後に各種サービスを提供し、共通基準エネルギー原価を下げる可能性がある。
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