2014年における環境技術業界の5大傾向 〜 VCのクライサリックスが予測
- 2014年1月20日
- 環境ビジネス
環境技術を専門に投資するクライサリックス・エネルギー・ベンチャー・キャピタル(Chrysalix Energy Venture Capital)は、2014年に注目される5つの業界傾向予想を示した。
グリーンテック・メディア誌によると、2013年は同業界にとって新時代の幕開けと位置づけられ、革新的技術が主流に成長すると同時に、多くの面でコスト削減も進んだ結果、市場規模は大幅に拡大し、その重要性の認識も強まり、2014年にはさらなる発展が確実視される。
クライサリックスが今後顕著になると予想する環境技術の5大動向は次の通り。
1)太陽光発電の復活
下流の設置業界が好況を呈するようになるだろう。ソリンドラをはじめ何件かの倒産は、同業界の自然淘汰の過程だった。太陽電池の価格は過去4年にわたって毎年20%下がっており、一方で発電効率は高まっている。それが消費者に恩恵をもたらし、販売を拡大している。
また、太陽光発電は、個人レベルだけでなく、石油およびガスの精製といった産業レベルでも導入が進むと期待される。
2)大容量データ(Big Data)の効果
産業インターネットと大容量データの活用によって、エネルギー集約型の産業に変革が起きる可能性がある。企業はますます、コストを意識した意思決定をするようになり、過程の最適化や効率化が実現するだろう。
3)大規模蓄電のプロジェクトが進展
風力や太陽が真に普及し、マイクログリッドへの移行が実現するには、蓄電分野の画期的な進歩が欠かせない。
同分野では現在、あらゆる技術の研究開発が進められているが、1キロワット時あたり500ドルを下回る技術はなく、ほとんどは1000ドル以上となっている。しかし、向こう数年で大きな進歩があるだろう。
4)水道への投資が拡大
水道業界に対する投資が大型化している。特に、下水処理技術と淡水化技術、そして節水技術が注目されている。
発電業界は、世界で2番目に大量の水を使用する業界だ。石油およびガスの採掘業界にとっても水道は欠かせない。
一方、水不足も世界各地で深刻化しており、水道業界が解決すべき課題は山積みだ。
さらに、大型産業による廃水削減につながる技術も重要だ。化学品を用いずに産業廃水の下水処理を行う方法が、数十億ドル規模の産業問題を解決する可能性がある。
5)技術革新のペースが加速
環境技術業界の技術革新は今年、大きく加速すると期待され、その背景には三つの要因があると考えられる。
まずは、中国やインドをはじめ世界各地で優秀な工学技術者が輩出されていること。次に、学際的な革新を追求する気運が高まっていること。最後に、大企業がバリュー・チェーンの課題解決を積極的に追求しており、それをインターネットやソーシャル・メディアが後押ししていることだ。
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