不法移民の統合を州が率先〜学費優遇や運転免許交付など

 必要なビザ(査証)を持たず米国に住む人々を、取り締まる代わりに一般市民と同等に扱おうとする動きが州レベルで強まっている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ニュージャージー州でこのほど、州内に住んで州内の大学に通う不法移民学生を州民とみなし、越境入学者より安い学費を適用する州法が成立した。同様の法律や制度を導入した州はこれで19州となった。

 ワシントン州でも、不法移民の大学生に州の学資支援制度の適用資格を与える法案を下院が可決し、上院も可決する見込みとなっている。コロラド、ミネソタ、オレゴン各州でも昨年、不法移民に州内居住者向けの学費を適用する州法が延長された。

 一方、不法移民の運転免許証取得を認める州は、カリフォルニア、コロラド、コネティカット、ジョージア、イリノイ、メイン、メリーランド、ネバダ、オレゴン、バーモントが加わって計13州となっている。

 移民規制の緩和を支持する人々は「不法移民の子供の教育水準を高めれば高所得者が増えて州の税収も増え、すべてのドライバーに免許証を与えれば高速道路がより安全になる。移民と移民規制当局との関係も改善される」と主張する。

 これに対し規制強化派は「不法移民に恩恵を与えることは違法行為への賞金に等しく、不法入国を奨励し、貴重な州の資源を減らすだけだ」と批判する。

 州の不法移民対策は、数年前まではアリゾナを筆頭に取り締まり強化が主流だったが、中南米系の票を失うとの懸念が共和党指導部の間で高まったため、流れが変わってきた。

 米国には大学進学年齢に達した不法移民が2100万人住んでいると推定される。カリフォルニアでは、不法滞在の学生に州民と同じ学費の適用や公的支援が認められるようになったが、現在は公立大学入学者のうち不法移民は1%にも満たない。

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