新CEOにナデラ氏、ゲイツ氏は退任 〜 マイクロソフト、新体制を発表
- 2014年2月5日
- ハイテク情報
マイクロソフト(Microsoft)は4日、同社のクラウドおよび法人部門執行副社長のサトヤ・ナデラ氏(46)が次期最高経営責任者(CEO)に4日付けで就任し、同時に、同社創業者で会長のビル・ゲイツ氏(58)が会長職を退任することを明らかにした。
次期CEO候補者らを5ヵ月前から絞り込んできたマイクロソフトのCEO探しはこれで完了した。
新会長には、シマンテックの元CEOでマイクロソフト社外取締役のジョン・トンプソン氏(64)が就任する。
マイクロソフトは近年、オンライン事業でグーグル(Google)に押され、携帯端末事業でもグーグルのアンドロイド(Android)とアップル(Apple)のiOSに完敗し、パソコン販売の不振によるOS事業低迷を強いられたことで、事業再編に向けた新体制の必要性を指摘されていた。
ロサンゼルス・タイムズ紙によると、ゲイツ氏が会長として影響力を行使し、スティーブ・バルマー氏がCEOとして舵取りしている限り、スマートフォンとタブレットが席巻する昨今の劇的な市場動向に対応する再建は難しいという見方から、一部ではゲイツ=バルマー体制の退陣が求められていた。
マイクロソフトでは、サーバー事業やクラウド事業に精通するナデラ氏をCEOとする新体制のもと、ポスト・パソコン時代におけるクラウド電算事業やインターネット事業、そしてモバイル電算といった新世代分野での事業再編を模索する。
インドで生まれ育ったナデラ氏は、インドの大学の電気工学部を卒業した後、ウィスコンシン大学院のコンピュータ科学で修士号を取得し、さらにその後、シカゴ大学の経営大学院で経営学修士号を取得してサン・マイクロシステムズに入社した。
同氏がサーバー事業に明るいのは、サン時代の経験に基づく。1992年にマイクロソフトに移籍し、2011年にはサーバー事業担当社長に就任し、昨年夏に、クラウドおよび法人部門担当の執行副社長に就き、アジュール事業を指揮した。
同氏は、マイクロソフトのサーバー事業を、同部門担当社長就任時の年商166億ドルからわずか1年で203億ドルに急成長させ、取締役会から非常に高い評価を得た。2013年6月締年度における同氏の年俸は767万ドルで、賞与は1570万ドル相当の自社株。
アマゾン(Amazon)は、ナデラ氏の手腕を早くから見抜いて、AWS(アマゾン・ウェブ・サービシズ)立ち上げ時に同氏を引き抜こうとしたが、同氏はマイクロソフトに残る決断を下したという。
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