微粒プラスチック汚染、LA市内の川でも
- 2014年2月6日
- アメリカ発ニュース
科学者や環境活動家の間で、マイクロビーズ(プラスチックの微粒子)が新しい環境懸念として注目されている。
ロサンゼルス・タイムズによると、マイクロビーズは洗顔料や身体用洗剤など主にパーソナルケア商品に含まれ、肌の古い角質などを取り除く効果がうたわれる細かい粒状のポリエチレンやポリプロピレン。塩の粒より小さいが土に分解されず、下水処理場でも簡単には除去されないため、浄水処理の過程で潤滑油や殺虫剤に含まれる有害物質を吸収しながら川、海に流れ込み、魚介類などを通して人体にも影響を与える。
環境団体ファイブジャイヤーズ研究所(5 Gyres Institute)のマーカス・エリクセン氏によると、これはすでに太平洋など世界中の海で見られる問題で「その8割はロサンゼルスのような沿岸部の河川から発している」と考えられている。
エリクセン氏が先月下旬、ロサンゼルス川の水を調査用の細かい網ですくう実験をしたところ、わずか10分ほどでマイクロビーズが見つかった。発生源などはまだ分かっていない。
同研究所が五大湖で大量のマイクロビーズ汚染を確認した2012年、周辺都市の市長は、湖の生態系や人体への健康リスクを評価するよう環境保護局(EPA)に要請した。13年には同研究所がパーソナルケア商品メーカーに対し、プラスチックのマイクロビーズの代わりにクルミの殻やアプリコットの種など分解される材料の使用を呼びかける運動を始めた。
一部のメーカーは商品からマイクロビーズを段階的に排除することに合意した。ジョンソン&ジョンソン(J&J)は、ポリエチレン製ビーズを使う新商品の開発を停止し、現在使っている商品に関しても半分は15年までにほかの材料に代える方針を決めた。
しかしファイブジャイヤーズはそれでは遅すぎると主張し、「今すぐ顔と川からプラスチックをなくせ!(Get plastic off my face and out of my water now!)」という請願運動を展開している。J&Jの洗顔スクラブ「Clean and Clear」にはチューブ1本に推定約33万個のマイクロビーズが含まれている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ