SAP、オラクル製品への対応を拡大 〜 インメモリーでは競争激化が必至
- 2014年2月11日
- ハイテク情報
業務ソフトウェア開発大手の独SAPは、米オラクル(Oracle)が2013年6月に市場投入したデータベース・ソフトウェアの最新版「12c」が更新されたことを受けて、SAPのアプリケーション群をそれに対応させることを顧客企業に保証した。SAPは現在、それに向けた各種機能の最終確認を急いでいる。
コンピュータワールドによると、SAPが自社製品を対応させるオラクル製データベース製品は「12.1.02」版で、昨年に出されたオリジナル版は対象外となる。
SAPのERPや各種のアプリケーションを使う企業には、オラクルのデータベースと併用する企業も多い。それらの多くは、旧版の「11gリリース2(R2)」を使っているため、SAPとしては、対応保証対象を12c更新版にすることによって、顧客企業が12cに更新することを促し、SAP製品とオラクル製データベースの非互換性率を引き下げたいと考えている。
SAPは、オラクル製品利用企業を最終的にはSAPの中核製品「ハナ(HANA)」に移行させたいと狙っている。ハナは、インメモリー・データベース・プラットフォームによって高速大量処理を実現し、大企業利用者の間で好評を得ている。
ハナの人気上昇に危機感を覚えるオラクルでは、ハナに対抗するために独自のインメモリー・プラットフォームを開発中。オラクルは、9月開催予定のオラクル生態系会議「オープンワールド(OpenWorld)」でインメモリー・サービスを発表するとみられる。
そのため、インメモリー・データ処理プラットフォームにおいてオラクルとSAPの競争が激化すると予想される。
SAPが12cの更新版を対応対象に指定したことは、SAPがオラクル製データベース製品を後方支援する形となる。その背景には、SAPはこれまで、自社製品をオラクル製データベース製品と抱き合わせて再版してきたという長年の取引関係がある。
また、SAP製品とオラクルのデータベースを併用する企業は多く、両社の製品における互換性や技術的協調を求める声が強いことも関係している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ