トーランスに衝撃走る〜米国トヨタ販売の本社移転
- 2014年4月30日
- アメリカ発ニュース
米国トヨタ販売の本社がカリフォルニア州トーランスからテキサス州に移転するという知らせは、同市経済界に激しい衝撃を与えた。
ロイター通信によると、トーランスのフランク・スコット市長は28日、市庁舎の外で記者団を前に「移転の報に不意打ちを食った」と暗い表情で語った。市長から数フィート離れた所に座っていた市内在住60年以上のパット・シンプソンさんは、両手で頭を抱えながら「なぜトヨタはこの場所をかき乱したいのかしら?」と問いかけた。
スコット市長によると、24日にトヨタ関係者から電話があり、28日の午前9時45分にあらためて電話をする旨を伝えられた。市長はその時、テキサスへの移転決定を薄々感じたという。トヨタは当日、電話の直後に移転を公表した。
それでも市長は「最初は何か別のことだろうと思った。週末にありとあらゆるうわさが飛び交っても、トヨタの移転は部分的であって全てではないと思っていた。寂しい知らせだ」と述べた。
人口14万7000人の同市にとって、トヨタとホンダはそれぞれ従業員約4000人を雇用する2大雇用主。トヨタが出て行けば市は年間約120万ドルの税収を失うことになる。しかし市長は、住民の感情的な損失や経済全体が受ける打撃の方がはるかに大きいと考える。
市長個人にとっても、娘の夫がトヨタで働いているため、本社移転とともに娘や孫までテキサスへ転居する可能性がある。市長は「数万人に影響が及ぶだろう」と語った。
現在、市の就労人口の約5%がトヨタに雇われている。2013年の市の年間予算は2億7100万ドルで、長期負債は1億2100万ドルに上っている。
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