フラッキングも地震誘発要因〜米地質研究所、予測の材料に

 米地質研究所(USGS)は現在、石油・ガス業界によるフラッキング(水圧破砕)を含む地下深部への廃水注入も地震発生の危険度を予測する際の評価材料に加えている。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、専門家は2011年にコロラド州南部とオクラホマ州で発生したそれぞれマグニチュード(M)5.3と5.7の中規模地震をはじめ、近年中部や東部で増えている地震と廃水の地下注入が関係しているとの見方を強めている。

 USGS調査員のウィリアム・エルズワース氏が科学誌サイエンスで報告した13年の調査結果によると、中部と東部では1967年から00年までの間、M3以上の地震が年に平均21件発生していたが、10年から12年には年間約300件に急増した。

 ジャスティン・ルビンスタイン調査員はこのほど、サンフランシスコで開催された米地震学学会(SSA)の年次総会で、11年に2つのM5を超える地震が発生するまでは「誰も廃水注入によって起きる地震はM5を超えないと信じて疑わなかった」と述べた。

 カナダ・オンタリオ州にあるウェスタン大の地震科学者、ゲイル・アトキンソン氏はさらに、「廃水が主因ではあるが、化学品などの液体を注入するフラッキングによって引き起こされる地震の発生も時を追うごとに明らかになっている」と指摘した。

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