健康関連アプリケーションの利用に注意 〜 業者間で取り引きされる個人情報
- 2014年8月4日
- ハイテク情報
食事や運動量、体重、血糖値、血圧といった健康関連情報を簡単に蓄積できるデジタル・フィットネス機器やスマートフォン・アプリケーションの増加にともない、新しいプライバシー問題が浮上している。
カリフォルニア医療財団のデータによると、デジタル・フィットネス機器の全米売上高は2012〜2013年に3倍に増え、米消費者の半分以上はスマートフォンやパソコンに接続できるヘルス・モニターの購入に関心があると答えている。
また、フォレスター・リサーチによると、関連モバイル・アプリケーションの数は2013年末時点で4万本を超え、現在も増え続けている。
ロサンゼルス・タイムズによると、 その一方で、モバイル・アプリケーションが記録したそれらの情報は、利用者本人の知らないところで利用および取り引きされるという問題も起きている。
プライバシー擁護団体のプライバシー権利情報センター(Privacy Rights Clearinghouse)が、人気の高い43種のヘルス&フィットネス・アプリケーションを対象に2013年に実施した調査では、アプリケーションの約75%が利用者データを第三者に送信しており、50%近くは個人情報を広告主と共有していた。人気アプリケーションの上位20種は70もの第三者組織に情報を流しているという別の報告もある。
関連業者の多くは、入力された個人情報をまとめ、データ・ブローカーや企業と取り引きしている。医療機関が患者の生活習慣を知るためにデータを購入する例も多い。
健康関連情報が、ふさわしくない業者の手に渡ると、長期医療を受けるときや生命保険の加入、あるいは就職にも不都合が生じる可能性がある。また、他人の名前や個人情報を使って不正に医療サービスを受ける「医療ID窃盗」に使われる恐れもある。
1996年に連邦政府が導入した「医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)」は、医療情報のプライバシー保護を義務づけているものの、健康関連機器に利用者が入力する情報はその対象とならない可能性が高い。
個人情報を守るには、アプリケーションを使う前にプライバシー保護方針をよく読む必要がある。特に、広告主や第三者に言及している部分と、情報がいかに保管されるかを説明した部分に留意しなければならない。
具体的には、独自のクラウドを使っているか公共のデータ保管サービスを使っているかをはじめ、情報が暗号化されているか、入力したデータを所有するのは誰か、といった点を確かめることが望ましい。
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