富士通、次世代スパコン用プロセッサーを開発 〜 世界最速の3倍の処理速度
- 2014年8月7日
- ハイテク情報
富士通は、次世代のスーパーコンピュータ(スパコン)用の最新型プロセッサーを開発した。その性能は、世界最速パソコンの処理能力の3倍に匹敵するという。
コンピュータワールドによると、新製品のスパーク(SPARK)64XIfxは、現行製品のスパーク64IXfxに比べて処理速度が4倍で、中国の世界最速スパコン「天河2号」より3倍速い。
天河2号は、インテル製のジーオン(Xeon)E5とジーオン・ファイ(Phi)を採用し、処理速度は最大で毎秒33.86ペタフロップス。一方、スパークの新型製品(XIfx)の処理能力は毎秒100ペタフロップスに達する。1ペタフロップは、1秒間に1000兆回の不動小数点計算を処理できる速さ。
現行製品(IXfx)は、世界で4番目に速いスパコン「京」で採用されており、8個のコアで構成される。それに対して、XIfxは、32個のコアから成る。2ユニット(U)のラックに12個のXIfxが収まるため、2U型サーバーで最大384個のコアを集積できる計算になる。
各プロセッサーには、コアをサポートするための「アシスタント・コア」が2個ずつ搭載されている。
新型製品はさらに、サーバー間でのデータ転送を高速にするための工夫も凝らされている。たとえば、ハイブリッド・メモリー・キューブ(HMC)がその一つ。同技術は、従来のDRAMのように並列設置する代わりに複数のメモリー・チップを立体的に積み上げた設計。
メモリー・メーカー大手マイクロンによると、HMCは、従来のDDR3 DRAMに比べて処理速度が15倍だが、電力消費量は従来に比べて70%で済む。
また、XIfxは、最新の内部インターフェイス技術「トウフ(Tofu)2」に対応することで、プロセッサーとほかの部品間でのデーター転送を高速化できる。
同インターフェイス規格は、最大で毎秒12.5ギガバイトのデータ転送を可能にする。これは、前規格のトウフ1に比べて2.5倍速い。
富士通は、カリフォルニア州クパチーノで来週開かれる「ホット・チップス(Hot Chips)」会議でその詳細を発表する予定。
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