東芝の二次電池SCiB、電気バス大手に採用 〜 急速充電と長寿命が強み
- 2014年9月22日
- 環境ビジネス
東芝の二次電池SCiBは、電気バスを設計および製造する米プロテラ(Proterra)によって採用された。
クリーンテクニカ誌によると、東芝のSCiB電池は、チタン酸リチウムを使用し、熱による劣化が少ないうえ急速充電でき、充電放電周期が1万回という長寿命が特長だ。
プロテラは米国内各地の都市に電気バスを提供しており、世界の電気公共バス市場で中国のBYDと覇権を争っている。BYDは独自の電池を生産しているが、プロテラは他社から調達している。
東芝は、電池を開発するだけでなく、電気バスを用いた交通サービスを一括で提供する「交通サービス・プラットフォーム」や、バスに搭載した画像撮影機能を使って低コストおよび高精度で交通状況を把握する「運行システム向け交通状況センシング」も提案しており、電気バス事業に総合的に参入している。
「当社のSCiB電池は、急速充電性能と長寿命の特長を有し、排ガス・ゼロの公共バスに理想的な電池だ」「当社は交通および輸送事業で数十年にわたる歴史があり、同事業を北米市場で拡大していくうえで、SCiB電池がカギを握ると考えている」と、東芝インターナショナルのパワー・エレクトロニクス事業部門副社長グレッグ・マック氏は話す。
プロテラの電気バスは10分間で充電を完了できるため、24時間の走行距離が最大700マイルに達する。次世代車種にSCiB電池を搭載すれば、わずか6分間で充電量がゼロから80%に達する。
プロテラのライアン・ポプル最高経営責任者(CEO)は、「当社にとっては安全性と性能が何よりも重要なため、部品を選ぶにあたっては、すべてのベンダーを厳密な評価過程を通して、きわめて慎重に検討している」「電池の品質は、電気バスの性能を左右する」「東芝のような世界的企業と手を組んでSCiB電池技術を使用できることで、きわめて高性能で、安全かつ信頼性の高い交通手段を提供できるだろう」と述べた。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる