太陽光システム設計の常識が変化 〜 パネルの低コスト化で経済性に違い

 商業用の太陽光発電システムの設計分野でコスト削減のための最適化が注目されるようになっている。

 グリーンテック・メディアによると、商業建物の屋根上に設置するソーラー・パネルの分野で、コストを追加せずに性能を高める方策として設計最適化の手法が多用されるようになっている。

 設計最適化が注目されている背景には、ハードウェア価格の低下を受けて、これまでの設計の常識が変わりつつあることがある。1ワットあたり3ドル50セントのモジュールと75セントのモジュールでは、設計に際しての判断が変わってくる。

 特に商業施設用のソーラー・システムは規模が大きいため、設計最適化から受けられる利点は大きい。

 設計に際して最初に選択を迫られる点としては、パネルの角度と間隔がある。各モジュールの発電量を最大化するには角度を付けてほかのパネルとの間隔を空けるのが望ましいが、それでは同じ面積に対して設置できるモジュール数が減ってしまう。

 逆に多数のモジュールを設置するために間隔を詰めれば、モジュールが互いに陰を作らないよう傾斜を小さくする必要が生じるため、日射角度は最適とは言えなくなる。

 モジュールのコストが下がっていることを受け、業界は全体として角度を抑えて枚数を増やす方向に動いている。また、受光面の向きが東西方向になるラック・システムによって発電量を高められるようになっていることも、その流れを後押ししている。

 多くの屋根は必ずしも完ぺきに南向きではないため、システム設計に際しては、発電量を最大化するためにどの方向に向けてモジュールを整列させるかの判断が必要となる。発電量の時間帯による変化を加味する際は、施設の電力消費量が時間帯によってどう変化するかも考える必要がある。

 さらに、インバーターの進化も、商業用ソーラー・システムの設計オプションを変化させている。マイクロインバーターによってDC(直流)配線を減らしてAC(交流)配線を増やせるようになったことからアレイ全体の設計が変化しており、それが設置の際の人件費や作業料にも影響を及ぼしている。

 設計と設置を手がけるリニューワブル・エネルギー・アソシエイツのライアン・メイフィールド氏は、「この仕事を始めたころは、南向きで30度の傾斜を付けて設置しなければ、現場で笑い物になった」「ところが現在は、ハードウェア価格が下がり、経験のある開発業者が増えたことで、分析した結果、傾斜も間隔も小さいほうがシステム全体の経済性を高められることが分かりつつある」。

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