オパール・ソフトウェアで生態系保護 〜 オープン・ソースの環境評価ツール

 基幹設備の開発に際して必要となる環境アセスメントを支援するオープン・ソースのソフトウェア「オパール(OPAL)」が開発されている。

 基幹設備開発への投資は全世界で2030年までに57兆ドルに達すると予想され、その大半は発展途上国での開発によって占められる。

 基幹設備の開発は周囲の環境に多大な影響を与えるため、200ヵ国近くの政府や国際金融公社(IFC)をはじめとする多数の金融機関が、開発業者に対して環境アセスメントおよび環境配慮を義務付けている。

 グリーンビズ誌によると、オパールは、アセスメント担当者や開発業者、さらには政策担当者を対象としたソフトウェアで、開発計画の環境影響を見極め、しかるべき対策を策定することを支援する。

 「オパールによって開発の影響が明らかになる。どのコミュニティーにどのように影響がおよぶかが分かる」と、スタンフォード大学の研究者でオパールの開発を手がけたナチュラル・キャピタル・プロジェクト(Natural Capital Project)のリサ・マンドル上席研究員は話す。

 オパールは「Offset Portfolio Analyzer and Locator」の略だ。ナチュラル・キャピタル・プロジェクトは、スタンフォード・ウッズ環境研究所(Stanford Woods Institute for the Environment)、ネイチャー・コンサーバンシー(Nature Conservancy)、世界自然保護基金、ミネソタ大学環境研究所の共同プログラムとして運営されている。

 オパールは、動植物の生態系がどこでどの程度破壊され、その影響を緩和するためにどれだけのオフセットが必要になるかを見積もることができる。既存の環境データやその他のデータを使用し、「インベスト(InVEST=Integrated Valuation of Environmental Services and Tradeoffs)」というナチュラル・キャピタル・プロジェクトの土壌や炭素に関するモデルで分析する。

 分析に際しては、利用者が地域のデータを入力して、インベストのモデルにもとづく生態系地図を生成する。その後、土地の使用目的や人口の密集地といったデータを入力してオパールを走らせると、開発計画の環境影響とオフセットの提案が示される。

 ただ、オパールが見積もるのは開発用地内の土地用途の変化による直接的な影響のみで、周辺の道路建設といった間接的影響を算出することはできない。また、土地の掘削による水源変化といった影響も加味されないため、限界があるのは事実だ。

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