湾岸の巨大プロジェクトを凍結〜南アのサソール、原油安で

 南アフリカ共和国のエネルギー・化学大手サソールは28日、ルイジアナ州のメキシコ湾岸で予定していた110億ドルのプロジェクトを凍結すると発表した。原油価格の急落を受けた判断で、諸外国による対米投資では過去最大規模の事業にも原油安の影響が及んだ形だ。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、サソールは過去数年間、同州レイクチャールズ郊外にある化学工場を拡張し、天然ガスから工業用化合物やディーゼル燃料を製造する大規模施設に転換する計画を進めてきた。2014年10月には、プラスチックなどの製造に使用されるエチレンの生産設備に80億ドルをつぎ込んだ。

 サソールは同日、エチレンの生産計画は進行中と説明する一方で、天然ガスからディーゼル燃料を生産するプロジェクトの棚上げを表明した。異例かつ巨額な大型工場建設の是非について、当初は16年までに決定する予定だったが、原油価格が1バレル=100ドルから50ドル水準に急落したことで凍結を余儀なくされた。

 サソールのデビッド・コンスタブル最高経営責任者(CEO)は「凍結によって、プロジェクトを最も実用的かつ効果的な方法で段階的に導入する可能性を判断できる」と述べた。

 ヨハネスブルク証券取引所に上場しているサソールの株価は、6月に原油価格の急落が始まってから3分の1ほど下がっている。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る