言葉にして闇晴れた NY式典でスピーチに挑む

 【共同】「明日が来るのは確かじゃない。だからこそ今、一瞬一瞬をかっこ悪くてもいいから生きるのです」。両親を奪った東日本大震災を思い返して、約50人の聴衆を前に強く呼び掛けた。昨年11月、仙台市で行われたスピーチ大会。宮城県塩釜市の主婦高橋匡美さん(49)は封印していた心の内を言葉にした。3年半以上続いた暗闇がほんの少し晴れた。3月8日、ニューヨークで開かれる追悼式典で再びスピーチに挑む。

 父佐藤悟さん=当時(82)=と母博子さん=同(73)=は、宮城県石巻市南浜の沿岸から数百メートルの自宅で津波にのまれた。3日後、ようやくたどり着いた故郷は壊滅状態。近くの大きな建物が盾となり実家は形をとどめていたが、小さな期待は裏切られた。津波は実家の2階天井近くに達し、母は1階の廊下で、父は遺体安置所で見つかった。

 穏やかな父と、友達のような母だった。いつもは1階に置いてある趣味の編み物道具や家族写真が2階にあった。大きな揺れの後、津波をかぶらないよう手際よく荷物を運び上げる母の姿が想像できた。

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