フォーカス・グループよりデータ分析 〜 ポンティアックの失敗例が暗示か
- 2015年4月22日
- ハイテク情報
販促(マーケティング)の世界ではでこれまで長らくフォーカス・グループが主流の手法となってきたが、データ分析がそれに取って代わる可能性がある。
フォーカス・グループは、20世紀半ばごろから広告代理店業界を中心に最先端の消費者調査手法として広まった。何人かの一般的消費者を会社に招いて、製品についてどう思うか、何を期待するかを語ってもらい、それを何回か実施して、集まった感想をまとめ、その内容を考察するうという手法だ。
しかし、フォーカス・グループは失敗することもある。その代表的な例として、ゼネラル・モーターズ(GM)が1990年代半ばに設計したミニバン「ポンティアック・アズテック」がある。
コンピュータワールドによると、当時、GMの会長だったジョン・スメール氏は、古巣のプロクター&ギャンブルで多用されていたフォーカス・グループの手法を取り入れ、消費者の声を集めた。その調査で浮かび上がったのは、「セクシー」で「最先端(エッジー)」という情報だった。
それをもとに、GMは設計に取りかかったが、GMには綿々と受け継がれてきた独自の社風や業務過程がある。新車開発委員会で設計を決定し、厳しい予算条件のもとで製造し、既存のミニバンのプラットフォームにセックス・アピールを詰め込もうとした結果、できあがったポンティアック・アズテック2000年型車は、過去数十年に生産された車のなかでもっとも不格好の失敗作、と発表初日からみなされた。
オハイオ州の日刊紙コロンバス・ディスパッチを発行するディスパッチ・プリンティング(Dispatch Printing)のデジタル事業責任者ボブ・ルブーフ氏は、フォーカス・グループの参加者が言うことと実際にやることのあいだには差があると指摘する。
同氏はそこで、ディスパッチのデジタル版のデザインを刷新するにあたって、読者の行動を実際に観察して分析するという方法を選んだ。
分析技術は、製品設計だけでなく、ほかの事業領域でも多用されるようになる可能性がある。たとえば、資産管理は、分析が威力を発揮するとみられる分野だ。
また、航空業界では、機材整備のスケジュールを決めるにあたって、さまざまの検知器からの情報を活用している。飛行中には大量のデータが収集されており、現在では、同じ機種の別の飛行機からのデータと比べることで、個別の機体の状況を相対的に把握することもできる。
企業幹部にとって、分析技術の活用法を考えることは、いまや必須業務の一つになりつつある。
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