アトメルが身売りを検討〜IoT関連商品を強みに
- 2015年6月10日
- 米国ビジネス
さまざまな電子機器に使われるマイクロコントローラーと呼ばれる小型プロセサーを主力とする半導体製造アトメル(Atmel、カリフォルニア州)は、身売りを含めた市場戦略を検討している。
ロイター通信が関係者の話として伝えたところによると、家電などあらゆる機器をインターネットにつなぐ「モノのインターネット(IoT)」分野が注目されるにつれて、アトメルは車や時計などの小型端末に使われるチップで事業の補完を図る大型半導体メーカーにとって魅力的な買収対象になっている。このため同社は売却の手順について投資銀行カタリスト・パートナーズに相談しているという。
アトメルは時価総額約40億ドルの中規模半導体メーカーで、IoTに使えるマイクロコントローラーなどのハードウェアを製造しており、スマートウォッチやフィットネスバンドを含むウェアラブル(装着可能な)電子機器に部品を供給している。
長年経営の指揮を執るスティーブ・ローブ最高経営責任者(CEO)は先月、この8月末で辞任する意思を表明しており、これが身売りという選択肢を検討するきっかけになった可能性もある。
アトメルの2015年第1四半期決算は純利益が4510万ドルと、前年同期の4920万ドルから少し減少した。第2四半期の売上高見込みは3億1000万〜3億2600万ドルで、粗利益率は約48%。14年の年間売上高は14億1000万ドルだった。マイクロコントローラーと一緒にセンサーのようなアナログ部品やパワー管理部品を販売したい半導体メーカーにとって魅力が高い可能性がある。
半導体業界では合併・買収(M&A)の動きが活発になっており、最近だけでもアバゴ・テクノロジーズによるブロードコムの買収やインテルのアルテラ買収など大規模な契約が発表され、年初からのM&Aは金額にして00年以降最高の約800億ドルを記録している。
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