J&Jの乾癬治療薬、既存の人気薬より効果大
- 2015年7月16日
- 米国ビジネス
ジョンソン&ジョンソン(J&J)が開発中の乾癬(かんせん)治療薬について、既存のベストセラー薬よりも効能が高いという臨床試験結果が発表された。
AP通信によると、この新薬「グセルクマブ(guselkumab、一般名)」は開発の最終段階にあり、数年後には当局の認可を得る可能性が高い。医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンにこのほど掲載された論文によると、既存の関連薬で最も売れているバイオテク医薬品大手アッヴィの「ヒュミラ(Humira)」を大幅に上回る高い効果が見られた。ヒュミラは2014年の売上高が125億ドルに達し、世界のすべての薬品の中で最高だった。
今回の試験は、認可申請直前に行われる最終臨床試験の前段階にあたる中間臨床試験。約3000人の中程度〜深刻な乾癬患者を7グループに分け、うち5グループにはそれぞれ異なる量のグセルクマブを、1グループには偽薬を、残りの1グループにはヒュミラを投与して比較した。
この結果、最も効果が高かった量のグセルクマブ投与グループでは、皮膚の異常の90%が消えた患者が62%に上り、ヒュミラの44%を大きく上回った。100%消えた患者も約30%と、ヒュミラの25%より多かった。2つの薬の副作用は似ており、いずれも深刻なものではなかった。
これまで乾癬の生物学的製剤は「75%治せれば上出来」と考えられていたが、米国皮膚科学会(AAD)のマーク・レブウォール会長は「75%が90%に改善されれば患者の人生が変わる」と話した。米国内の乾癬患者は約750万人、国外では約1億2000万人に上る。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ