ウォルマート、一大技術者部隊を構築 〜 電子商取引とデータ活用で革新実現
- 2015年7月21日
- ハイテク情報
ウォルマート(Wal-Mart)は自社オンライン販売サイト(Walmart.com)の管理や機能の向上に取り組むために、4年前にウォルマート・ラブズ(Walmart Labs)をシリコン・バレーに開設している。
社員65人の検索およびデータ解析新興企業コズミックス(Kosmix)を2011年に買収したのがそのはじまりだ。
ビジネス・インサイダーによると、ウォルマート・ラブズは現在、開発者や工学技術者、データ専門家を中心に2200人の「テクノロジスト」を雇用し、実在店舗と小売サイトの融合をはじめとする各種の問題解決に取り組んでいる。
ウォルマート・ラブズのジェレミー・キング上席副社長兼最高技術責任者(CTO)によると、ウォルマート・ドット・コムは1日あたり「何百万件の取り引き」を扱っている。
同社は2000年に、技術部隊をシリコン・バレーに編成したが、当時は実店舗とオンライン部門の取り扱い製品が大きく異なったりと、店舗とウェブサイトの連携がさまざまの面でとれていなかった。そこで2011年に、マイク・デューク最高経営責任者(CEO)が主導し、電子商取引関連事業を本格的に見直すことにした。
デューク氏にイーベイ(eBay)から引き抜かれたキングCTOは、まずバックエンド・システムをゼロから開発しなおした。
当時のシステムは、異なる技術の寄せ集め状態で、業務の一部は外注されていた。また、大量の顧客データが未活用のまま放置されていた。
キング氏によると、同社はアパッチ・ハドゥープ(Apache Hadoop)のもっとも早期かつ最大の利用企業の一つだ。また、無料のクラウド技術であるオープンスタック(OpenStack)の採用でも、同社は最初の大手利用企業の一社に挙げられる。
キング氏は、最新技術を使い大規模システムを社内で開発することで、技術革新を推進し、優秀な技術系人材を引きつけることにも成功した。
同社の売りである最安値保証の仕組みを考案したのも、同社のデータ科学者だった。ソフトウェアによって他社の店舗で自社よりも安い値付けを見つけると、自動的に価格を下げるというものだ。
また、たとえばオムツの注文が集中している地域を検出し、その地域の倉庫にオムツを集中的に分配するといった配送最適化にもデータを活用している。
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