従業員の代わりにロボットを採用する実在店舗が増えている。そういった動きに拍車をかけているのが、シリコン・バレーの新興企業スータブル・テクノロジーズ(Suitable Technologies)だ。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同社は、店員に代わって店舗業務を遂行するロボット「ビーム(Beam)」を開発しており、ビームを販売するための1号店をパロ・アルトに2014年に開店している。
主力製品は、身長4フィート6インチ、頭部に10インチのディスプレイ、台座に一組の車輪を搭載し、最高時速2キロメートルで店内を移動できる。基本機種の価格は1995ドルだが、高機能機種は2万ドル以上。
サンフランシスコのレストラン「イーツァ(Eatsa)」は、ビームを採用した初期導入組の一社だ。
イーツァでは、ロボットを導入したことで、昼食メニューの一部の料理を、近所の店より安く提供できるようになったと話す。また、従来より数多くの注文に対応できるようになったという。
同店の場合、来店客はタブレットで注文し、ロボットが厨房で働き、区分けされたスペースから客が料理を取り出す仕組みだ。
イーツァは、すべての従業員をビームに置き代えているわけではない。ロボットの採用は、業務効率化を図りながら人件費を抑えることが狙いだ。
現在、多くの実在店舗がロボット採用による業務自動化を進めている。たとえば、ファスト・フード・チェーン大手のジャック・イン・ザ・ボックスではキャッシュ・レジスターをスクリーンに置き換え、また、多くのスーパーマーケットでは、セルフサービスでの支払いに対応している。
一方、シアトルの新興企業ホインター(Hointer)は、ロボットとアプリケーションを組み合わせて、ロボットが在庫保管室から服を店頭に運びだして販売するシステムを開発している。百貨店大手のメイシーズは現在、水着販売用にホインターのロボットをロサンゼルス店で試験的に導入している。
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