日本クラブWebギャラリー「富士山と羽衣伝説」開催
- 2022年1月1日
- イベント
羽衣伝説で知られる三保の松原は静岡県静岡市清水区にある。室町時代、その地に伝わっていた羽衣伝説と駿河舞を結びつけて編まれたのが能「羽衣」だ。その舞台となる三保松原は、約7kmの海岸に約5万本の松が生い茂り、海岸に打ち寄せる白波、海の青さと松林越しに富士山を望む名勝地として知られている。毎年10月、天女が羽衣をかけたといわれる松の前で「三保羽衣薪能」が上演されてきた。
三保松原の羽衣伝説が日本文化に及ぼした影響は大きく、天女による音楽の演奏や舞は雅楽において日本オリジナル作品の第一号となって伝えられ、現在でも宮中などで上演が続けられている。また、平等院に残る雲中供養菩薩像(楽器を演奏したり舞う菩薩像52体)は天女による音楽や舞の世界観の表現とされている。
山そのものを神と見立てる「富士信仰」は自然崇拝の対象でもあるが、大規模な噴火を繰り返す富士山へ鎮まりの祈りから始まり、崇拝の対象へと変化してきたという歴史がある。富士山は2013年に「信仰の対象」と「芸術の源泉」という2つの側面を持つ文化遺産として世界遺産に登録された。そして、三保松原も富士山のイメージを広く伝え、詩歌や絵画などに描かれる芸術の源泉地としてその構成要素に指定登録された。
本展覧会では三保松原に伝わる羽衣伝説にちなみ、日本を代表する富士山の絵画や撮影写真、そして平等院鳳凰堂雲中供養菩薩像の画像約36点が展示される。
日本クラブWEBギャラリー企画展
「富士山と羽衣伝説」
■会期:2022年1月20日(木)〜3月2日(水)
■場所:日本クラブWEBギャラリー
■詳細:https://nippongallery.nipponclub.org/
■問い合わせ:gallery@nipponclub.org
本展監修の森田ゆい氏(東京立正短期大学准教授)が、三保松原に伝わる羽衣伝説について紹介。また、人間国宝の大倉源次郎氏に能の代表的な演目「羽衣」についての話を聞いた後、小鼓の実演(謡と小鼓による一調)を鑑賞する。
■開催日時:2022年1月20日(木)7:00-8:00pm (EST)
■申し込み:www.nipponclub.org
■問い合わせ:gallery@nipponclub.org
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