日本クラブ 4〜6月にWebギャラリー企画展「日本から世界へおくる灯り」を開催

すずも提灯 「団子」

昨年7月23日の東京オリンピック開会式で、やぐらに組まれたたくさんの提灯が紹介された。日本クラブWebギャラリーでは10回目の特別企画として、日本の文化を代表する伝統工芸品の一つである提灯が取り上げられる。

江戸御三家のお膝元・水戸藩は経済を支える産業の一つとして、当時、必需品であった提灯の製造を奨励した。以来、水戸は岐阜、福岡県八女市と並ぶ提灯の日本三大産地の一つとなった。水戸藩で作られた水府提灯は、骨格となる竹ひごを一本ずつ輪にして糸で結う一本掛けという工法で作られ、頑丈なことで知られている。現在も工法を変えずに和紙を張った奉納提灯・祭り提灯・看板提灯などが作られています。

本展では水府提灯が取り上げられ、日常生活を送るうえで欠かすことのできない灯りの器具として使用されてきた提灯の歴史と製造工程を紹介する。茨城県には提灯作りに欠かせない丈夫で良質な和紙(西ノ内和紙)の産地があり、その他の材料も供給できる水源や自然に囲まれた地域特性がある。

150年続く老舗「鈴木茂兵衛商店」7代目当主の鈴木隆太郎氏は、時代に翻弄されながらも伝統工芸品としての提灯作りを維持してきた。一方で、作品がMoMAニューヨーク近代美術館に永久保存されている現代アーティスト兼グラフィックデザイナーのミック・イタヤ氏の閃きや、若手による先端技術を取り入れることにより、提灯の特製を最大に活かしながら現代の機能性が加わった照明器具の「すずも提灯」を誕生させた。

本展では代々引き継がれてきた「水府提灯」と、それがまるで蛹が蝶となったように世界中に羽ばたき出した「すずも提灯」にスポットを当てて紹介する。

家紋描き

日本クラブWEBギャラリー企画展
「日本から世界へおくる灯り」展
-地域で育まれた水府提灯の伝統と革新-
■会期:2022年4月22日(金)〜6月2日(木)
■場所:日本クラブWEBギャラリー
■詳細:https://nippongallery.nipponclub.org/
■問い合わせ:gallery@nipponclub.org

バーチャル・オープニング・レセプション
日本国内での提灯の歴史と使われ方、水府提灯からすずも提灯に至るまでの時代背景とそれらの製造工程を、鈴木絋太氏の制作ビデオにより紹介。さらに鈴木隆太郎氏とミック・イタヤ氏が生出演し、革新的に進化を遂げた「すずも提灯」について対談形式で話をする。灯りとしての提灯が一方で暗闇の中において魔を斬るといった幻想的な意味合いを含むことから、それに通じるイリュージョニスト・マジシャンであるメイガス氏を迎え、エンターテイメント企画としてマジックを披露する。

■日時:2022年4月22日(金)7:00-8:00pm
■申し込み:www.nipponclub.org
■参加費:無料(任意で「フロントラインワーカーたちへのお弁当プログラム」へ寄付)
■問い合わせ:gallery@nipponclub.org

 

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