日本クラブWebギャラリー企画展「シルクロード色彩自在−洋画家入江一子105年の軌跡」開催
- 2021年9月4日
- ニュース
エキゾチックな響きがあり、悠久のロマンを掻き立てられるシルクロードは、紀元前2世紀から18世紀の間にシルクとともに東西の多くの文化や芸術を運んだ。その歴史的価値から、シルクロードの一部区間が2014年に「シルクロード長安―天山回廊の交易路網」として世界遺産に登録され、現在では融合と交流、そして人類共通の文化遺産となっている。
洋画家・入江一子氏は50歳を過ぎてから30ヵ国余りのシルクロードの国々を訪れ、大陸的な風物や辺境に生きる人々を描き続けた。斬新な構図と明るい色感に富んだ大らかな筆づかいの画風で独自の世界を確立した。
モチーフの色彩を表現するために、現地でできるだけ描き上げるのが彼女独自の手法。少しでも実際の色に近い色彩を探せるよう機内持ち込みの重量制限ギリギリの絵の具を持参し、スケッチに1時間しか費やせないときは水溶性色鉛筆や水溶性クレパスを、2時間以上モチーフと接する場合には水彩絵の具やアクリル絵の具を使って、そのときの感動をそのままスケッチブックに着色して残した。そして、日本に帰ってからもう一度、構成・作画して大きなキャンバスに描き直す。小さな体に不釣り合いなほど大きなエネルギーと情熱で描き上げた数々の作品からは、時代や国境を越えて強く逞しく生き抜いてきた人々の溢れんばかりの生命力が感じられる。
本展では、入江氏がシルクロードを旅する中で見てきた雄大な風景や人々の素朴な生活の姿を、その時どきで受けた情感を色彩にこめて描き出した作品40点を展示する。女子美術大学卒業後、洋画家・林武画伯に師事し、独立美術協会会員、女流画家協会委員(創立会員)として画壇をリードしてきた洋画家・入江一子氏の85年にわたる画業の歩みを振り返る。
「シルクロード色彩自在−洋画家入江一子105年の軌跡」展
■会期:2021年9月23日(木)〜11月3日(水)
■場所:日本クラブWEBギャラリー
■詳細:https://nippongallery.nipponclub.org/
■問い合わせ:gallery@nipponclub.org
バーチャル・オープニング・レセプション&『シルク時空をこえて』ミニ映画上映会
2021年8月10日に逝去した入江を偲び、レセプションの前半では85年に亘る画業を振り返るとともに、作品を画像により紹介。後半では、明治から大正、昭和にかけて日本のシルク産業繁栄の地、信州を中心に、飛騨、上州、横浜、福島、そして世界へと絹の歴史をめぐる物語を描いた映画『シルク時空をこえて』のミニ上映会を開催する。シルクロード終着点の日本からアメリカへ絹の道ができ、アメリカ産業革命発祥の地ニュージャージー州パターソンを皮切りに、ペンシルバニア州、コネチカット州など、両国間に絹の道が発展していった。先人たちはどのようにシルク産業を興し、その道をどのように歩んできたのか。
■開催日時:2021年9月23日(木)7:00-8:00pm (EST)
■定員:先着500名
■参加費:無料(任意で医療従事者への弁当プロジェクトへ寄付)
■申し込み:www.nipponclub.org
■問い合わせ:gallery@nipponclub.org
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