従来型の磁気ストリップ式カードのように偽造される危険性をなくすべく導入されたICチップ付き(EMV仕様)クレジット・カードにセキュリティーの脆弱性が見つかった。
情報システム大手NCRのコンピュータ・セキュリティー班が、セキュリティー分野の国際会議「ブラック・ハット」で発表した。
CNNによると、NCRの理論では、磁気ストリップに記されたコードを書き換えることで、チップの付いていないカードのような状態にふたたび戻せるため、犯罪者がクレジット・カードを簡単に偽造できるようになる。
銀行は、「磁気ストリップのデータが改ざんされれば、クレジット・カードの決済端末を欺くことができても、取り引きは拒否される」と反論し、NCRの理論を疑問視している。しかし、 小売業界ではEMVへの刷新に対する不満が高まっている。
全米小売業協会(NRF)は、米小売業界のクレジット・カード処理システムの刷新コストが250億ドルに上ると試算している。
一方、クレジット・カード決済端末メーカーは、情報を暗号化する機能が「オフ」に初期設定された機械を作り続けており、小売店が追加料金を支払って指定しない限り、そのままの状態で店舗に販売および設置されている。
業界大手のヴェリフォンとインジェニコは、「スイッチを入れるかどうかは小売店経営者やその共同所有者次第」と話している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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