アマゾン(Amazon)には、オンライン書籍販売の開拓会社という顔のほかにもオンライン小売いちばの最大手、クラウド電算サービス最大手、仮想執事端末最大手、タブレット、動画配信サービス、グローサリー・チェーン店運営といったいくつもの顔があるが、ソフトウェアの大手という印象はほとんどない。
CNBCによると、アマゾンがソフトウェア提供大手と認識されないこれまでの印象は、同社が法人向けソフトウェア業界2位のオラクル(Oracle)を近い将来に抜くことで一変する可能性がある(首位はマイクロソフト)。
MKMパートナーズのロウヒット・コルカーニ氏によると、アマゾン傘下のアマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)の売り上げは、向こう12~15ヵ月でオラクルの売り上げを上回る見込みだ。AWSは、世界最大のクラウド電算サービス・プラットフォームで、無数のソフトウェアを走らせている。
AWSは、アマゾン全体の利益率や成長率よりはるかに高い。直近四半期には、22.6億ドルの営業利益を稼ぎ出し、アマゾン全体の営業利益の71%を占めた。
「AWSの売り上げは、2020年に450億~500億ドルに成長する」「かたやオラクルは約410億ドルと予想される」とコルカーニ氏は指摘する。
AWSは、小売会社のアマゾンを技術会社に変身させる原動力となった事業だ。数え切れない数のソフトウェア業者らがAWSをプラットフォームとしてクラウド版ソフトウェアを世界中で法人向けに提供するようになったことがその最大要因だ。
ただ、オラクルはソフトウェアを開発して提供するが、アマゾンは、法人向けソフトウェアをみずから開発するわけではなく、第三者開発会社らの製品をクラウド電算プラットフォームによって提供する。したがって、アマゾンは、法人向けソフトウェアを提供する市場でオラクルを抜いても、開発分野で大手になることはしばらくない。
【cnbc.com/2019/10/30/amazon-to-pass-oracle-in-enterprise-software-soon-mkm-analyst.html】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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