イーロン・マスク氏は、少なくとも1億3000万ドルを投じてドナルド・トランプ氏の大統領当選に大きく貢献した。その結果、マスク氏が立ち上げた会社らの株価は上昇し、マスク氏が保有する株式の時価は急増した。トランプ氏が再戦して以来、マスク氏が得た含み益は約700億ドルに上る。1日あたり100億ドルを稼いだ計算だ。
CNBCによると、マスク氏の資産の大半は、同氏が保有するテスラ株で占められる。テスラの株価は、トランプ氏当選後の4営業日に約39%高騰し、同社の時価総額は1兆ドルを大きく超えた。同氏は、4億1106万株のテスラ株と、約3億400万株の業績連動型オプションを保有している。
フォーブス誌によると、マスク氏の純資産はその結果、3200億ドルに膨れ上がり、世界第2位の富豪であるオラクル創業者ラリー・エリソン氏を900億ドル近く引き離している。エリソン氏も共和党支持者だ。トランプ氏当選以来、オラクル株価は10%上がり、エリソン氏の資産も約200億ドル増えた。
マスク氏は、トランプ氏を再戦させるための浮動州(民主党と共和党のどっちにもころぶ可能性があった激戦州)作戦に巨額を寄付し、トランプ氏の代弁者としてそれらの各州で何回もの決起集会を指揮した。マスク氏はそのほか、自身が2022年に買収したツイッター(現エックス)を使ってトランプ支持を展開し、対抗馬である民主党候補カマラ・ハリス副大統領を攻撃した。
トランプ氏は現在、フロリダ州に所有するリゾート施設に陣営を置き、大統領補佐官部隊の編成や政治任命人事の選考、そのほかの主要協力者または盟友らの政権入り計画を練っている。マスク氏も、トランプ政権でなんらかの政治任命職に指名されるとみられる。
マスク氏は、省庁機関の権限を小さくすることを何年も前から訴えている。さまざまの規制が事業成長を邪魔するためだ。同氏は、テスラやエックスのほかに、宇宙開発新興企業のスペイスエックス(SpaceX)、生成人工知能新興企業のエックスAI(xAI)、脳コンピューター・インターフェイス新興企業のニューラリンク(Neuralink)、トンネル掘削新興企業のボーリング(Boring)といった会社を立ち上げ運営している。
それらの会社は現在、証券法違反や職場の安全、労働、公民権違反、連邦環境法違反、消費者詐欺、自動車の安全欠陥といったさまざまの疑惑に関して連邦政府機関から調査または訴訟の対象になっている。マスク氏は、トランプ氏をホワイトハウスに送り込むことで、自身の会社らに対するそれら計19件の調査や訴訟の多くを早期解決したいとねらっている。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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