リコール増加も品質は向上〜メーカーの積極姿勢を反映

 自動車メーカーによるリコール(回収・無償修理)がここ数週間、世界で数百万台規模に上っているが、必ずしも品質の低下を意味している訳ではない。

 デトロイト・ニューズによると、専門家は昨今のリコールが品質の向上を反映していると指摘する。むしろ、世界的なリコールの拡大は、メーカーによるプラットフォーム(車台)の共有化の促進や、メーカー間で同一の部品を使用する傾向の拡大などが背景にある。

 2010年に起きたトヨタ車の急加速問題などの大規模リコールを契機に、問題の早期発見や消費者への告知でメーカーの姿勢ははるかに積極的になった。

 品質管理ソフトウェアを手掛けるアプリソ(Apriso)は、「社の評判を守ることが最優先されるようになった」と指摘する。

 トヨタは4月、約17万台に搭載されているエアバッグの不具合で51万台のリコールに踏み切った。

 クライスラーは2月、燃料タンクのコントロール・バルブの不具合を発見して16台を修理するため、約2000台をリコールした。同社による最近6件のリコールは計26万4000台に達したが、事故や負傷につながった事例は皆無だった。

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