石油の鉄道輸送が過去最高に〜安全への懸念も

 国内の石油生産が空前のブームを迎えてパイプラインがフル稼働する中で、石油の鉄道輸送量が過去最高の水準に達している。

 米鉄道協会(AAR)の最新統計によると、2013年上半期(1〜6月)の石油の鉄道輸送量は、前年同期比で48%の大幅増を記録した。貨物車で35万5933両分に上り、09年同期の5358両から急激に伸びている。

 鉄道輸送量の増加は、ノースダコタ州のバッケン・シェールやテキサス州のイーグル・フォードの生産急増と深く関係し、大量の石油はメキシコ湾岸や米・カナダ東海岸の製油所に向けて運ばれている。

 鉄道輸送は通常、パイプラインや船舶での輸送より割高だが、パイプライン敷設をめぐる許認可や建設に長期間を要するため、鉄道輸送の需要が増している。

 一方、カナダ・ケベック州では最近、石油貨物列車の脱線・爆発事故が発生した。16日現在で少なくとも24人が死亡する大惨事になっており、鉄道輸送の安全問題に関心が集まっている。

 パイプライン事業者が、石油の輸送手段ではパイプラインが最も事故発生率が低いと強調するのに対し、鉄道業界側は、石油流出事故が起きた場合のパイプラインの流出量は鉄道をはるかに上回ると指摘する。スミス・カレッジ(マサチューセッツ州)の鉄道専門家、マーク・アルドリッチ名誉教授(経済学)によると、鉄道輸送全体の事故発生率は、1990年代前半と比べ約40%低下している。

 CNNマネーが連邦鉄道管理局の統計を基に鉄道会社の安全性を比較したところ、過去5年間はノーフォーク・サザン鉄道が最も優秀な記録を残している。

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