タンカー輸送、ガソリンが原油上回る〜石油製品の輸送急増で

 米国の石油製品の輸出量が少なくとも20年ぶりの最高水準に達する中、ガソリンやディーゼル燃料を運ぶタンカーが初めて、サイズが6倍大きい原油タンカーの輸送量を上回る見通しとなっている。

 ブルームバーグ・ニュースによると、船舶ブローカーの世界最大手、英クラークソンは、2013年は石油製品を運ぶ中型タンカーの海運レートが1日平均1万5325ドルとなるのに対し、原油タンカーは6838ドルになると推測する。中型船のレートがこれだけ高くなるのは、少なくとも1997年以来初めてという。株価では、上場する石油製品輸送業の最大手スコーピオ・タンカーズが12%上昇する一方、巨大タンカーを扱うフロントラインは29%下落している。

 国内ではちょうど、フラッキング(水圧破砕)技術によるシェール(けつ岩層)採掘が盛んで、7月5日の週現在の原油生産量が92年7月以来最高を記録した。一方、中国に次いで2番目に大きい米国の原油輸入量は、13年は大型原油タンカー(VLCC)換算で少なくとも91年以来の最低を記録する見込み。米政府は、原油の輸出を大部分禁止しているが、石油製品の輸出は認めている。

 スコーピオのロバート・バグビー社長は、「米国がエネルギーを輸出できるようになったのは初めてで、今は転換期にある。強気相場が続いており、現時点でのレートの水準に驚いている」と語った。

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