「iWatch」開発チームを強化〜アップル、技術者の雇用増やす

 アップルは、開発中の腕時計型コンピュータ「アイウォッチ(iWatch)」のデザイン問題を克服するため、数週間前から新しい人材の雇用を増やしている。

 フィナンシャル・タイムズが複数の関係者の話として伝えたところによると、同社は「アイポッド」「アイフォン」「アイパッド」に続く革新的商品分野の開発を目指しており、アイウォッチはすでにブランドが商標登録され、企画は模索の段階を過ぎて数十人の専門スタッフが開発に取り組む段階に来ている。

 新スタッフの増員は開発努力が強化されたことを示すが、同時に既存の技術陣では解決できない問題を抱えている可能性もありそうだ。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、これまでも開発に取り組んだ商品の発表を中止したことがあり、アイウォッチに関しても同様の判断が下される可能性はある。

 アップルは今月、ファッション業界や高級品市場での経験が時計市場への参入やブランド戦略に役立つとみて、イヴ・サンローランのポール・デニーブCEOをクックCEO直属の特別プロジェクト担当者に起用した。また、関連新興企業の買収による人材登用も進めている。この種の人材集めは「アクイ・ハイヤー(acqui-hires)」と呼ばれ、優秀なエンジニア取得にコストがかかるシリコンバレーでは一般的になりつつある。

 アイウォッチ開発チームの上級メンバーの1人は「退社も考えたが、大幅な昇給を提示されたため思いとどまった」と話している。

 シリコンバレーでは、グーグルやサムスンといった主要ライバルのほか、ペブルなどの新興企業やデルなどのパソコン・メーカーもスマート・ウォッチのような身体装着型情報端末の開発に取り組んでいる。

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