医薬品データの公開を公約〜欧米業界、EU当局を牽制

 医薬品データの公開義務づけを検討する欧州当局の動きをにらんで、欧米の製薬大手は24日、自社製品に関する詳細な情報を外部の研究者と共有する考えを表明した。

 ニューヨーク・タイムズによると、情報共有の宣言を行ったのは、欧州最大の業界団体である欧州製薬団体連合会(EFPIA)と米国研究製薬工業協会(PhRMA)。2014年以降、米国と欧州連合(EU)で新しく認可される医薬品と、既存の医薬品の新しい用途に関するすべての情報を外部の専門家と共有する。

 医薬品情報の公開を求める人々は「医師や患者には、薬品のリスクや利点に関してメーカー以外から提供される情報が必要」と主張してきたが、両団体はつい最近までこの考えに批判的で、PhRMAは今年2月にも「患者レベルの臨床データ公開は無責任で、規制当局に後知恵を与えることにもなり、患者に大きな害を及ぼしかねない」と反発していた。

 今回の業界の行動について、PhRMAのジョン・カステラニ代表は「疑問を持たれることは承知している。しかしこれは正しい行動であり、今が実行の時だ」と話した。両団体の加盟社は世界の医薬品開発企業の約80%を占め、今回の決定には加盟全社が合意している。

 イェール大学のハーラン・クルムホルツ医師(心臓科)は「彼らがやろうとしていることは、少し前までは想像もつかなかったこと。企業が本当に公約を実施すれば科学や公益に大きく貢献することになるが、彼らの行動は監視する必要がある」と話した。

 欧州医薬品庁(EMA)は現在、薬品が認可されるたびにその試験データを公開することを検討しているが、欧米の両団体はこの案に反対しており、カステラニ氏は「今回発表した内容を欧州で検討されている計画の代案と考えるべき」と話した。

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