フレアリングで石油会社を提訴〜バッケン・シェールの地主ら
- 2013年10月21日
- 米国ビジネス
ノースダコタ州の油井地帯バッケン・シェールで大手石油会社に土地を貸している地主らが21日までに、焼却処分された天然ガスの使用料支払いを求めて、州裁判所に10件の集団訴訟を起こした。
ニューヨーク・タイムズによると、訴えられたのはコンチネンタル・リソーシズ、XTOエナジー、SMエナジー、マラソン・オイルなど10社。州西部では、石油採取の副産物である天然ガスを輸送するためのパイプライン建設が追いつかず、地上に突き出た約1500本のパイプから出る天然ガスが焼却処分(フレアリング)されている。
16日に提出された訴状によると、石油会社に土地を貸している同州および他州の地主らは、焼却処分された天然ガスの使用料支払いなどを求めている。額は特定せず、審理によって決めたい意向。ノースダコタ州法は天然ガスの導管を輸送用パイプラインにつなげるまでは例外としてフレアリングを認めているが、原告らは期限などが限度を超えていると主張している。
石油会社は高く売れる石油を重視し、5月以降だけで1日10万バレルずつ生産しているが、値段の安い天然ガスにはパイプライン建設するだけの経済的魅力がないと、訴状は指摘している。天然ガスを処分する場合、そのまま大気中に放出するよりは燃やした方が環境への影響は少なくなるが、二酸化炭素(CO2)は放出され続ける。
訴状によると、ノースダコタではこうして燃やされるガスの量が過去2年間で約3倍に増え、州内の生産量のほぼ30%を占めるまでになっており、炭素排出量は中型の石炭火力発電所2カ所分を上回っている。また、州内で燃やされるガスを金額に直すと毎月約1億ドルに上る。
これに対し石油会社や地元の業界団体は「パイプライン建設を極力急いでいる」と説明、フレアリングの量も「11年9月は生産量の36%だったが、現在は約29%に低下している」と話している。
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