アップル、カープレイを発表 〜 iOSと双方向の車載娯楽および情報システム
- 2014年3月4日
- ハイテク情報
アップル(Apple)はアイフォーンやアイパッドと車のダッシュボード・ディスプレイを連動させる包括的な新しい車載インフォテインメント・システム「カープレイ(CarPlay)」を発表した。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、フェラーリやメルセデス・ベンツ、ボルボは、今週開幕するジュネーブ国際モーター・ショーでカープレイを実演するほか、自動車大手13社がカープレイを採用する計画も明らかになった。
上記3社に加えてホンダやヒュンダイ、ジャガー、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、スズキ、三菱自動車、富士重工業、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーターも2014年中にカープレイを一部の車種に搭載する計画だ。
カープレイでは、アイフォーンと同じアイコンがダッシュボードのディスプレイに表示され、ハンドルに内蔵されたボタンを押し続けると、iOSの音声認識アシスタント・システムのシリ(Siri)が起動する。
カープレイとシリを接続させて使うためには、アイフォーンのOSをiOS7に更新する必要がある。また、その対象はアイフォーン5をはじめ、5Sと5Cに限定される。
アップルの車業界向け戦略は、アイフォーンとアイパッドを車の音響システムで再生できるようにすることが中心だった。しかし、ホンダの新車種では、ハンドルに内蔵されたボタンによってシリを起動させ、運転者がハンドルから手を離すことなく、受信メールの音読や天気予報の内容、カーナビゲーションの設定、アイフォーン予定表へのスケジュール入力を音声指示できるようになった。
アップルは2013年6月に、車載iOSシステム開発計画の次段階として、地図や交通情報といったサービスと車のディスプレイを双方向にする計画を打ち出していた。
ダッシュボードのデジタル機能とアイフォーンを連携させることがその狙いであり、今回、ドアの取っ手や車内の各種ボタン、モニターもアイフォーンと連動させ、包括的な車載ITシステムとしてカープレイが発表された。
アップルは、先進国市場におけるスマートフォン市場の飽和状態接近を受けて、新たな成長市場の開拓分野として車載インフォテインメントと医療技術の分野に照準を合わせている。カープレイはその一環であり、車載IT市場の競争をさらに激化させる要因となるとみられる。
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