多国籍軍支援の拡大検討 戦闘中に補給・医療
- 2014年5月7日
- 日本発ニュース
【共同】安倍政権は、集団的自衛権の行使容認の議論と並行して、国連決議に基づく多国籍軍への自衛隊支援活動を拡大する方向で検討に入った。戦闘中の他国部隊への燃料補給や医療支援を可能とする内容。憲法9条が禁じる「他国による武力行使との一体化」に当たるとして従来制限を受けてきた活動で、集団的自衛権とは別の新たな憲法解釈見直しにつながる可能性がある。自衛隊の海外活動に歯止めが効かなくなる懸念が強まるのは必至。政府、与党調整で論議を呼びそうだ。
政府、与党関係者が7日明らかにした。来週政府に提出される「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の報告書や、その後の「政府方針」で検討課題として提起する。政府関係者は「多国籍軍支援をしなければ日本有事の際に国際社会の支援を十分得られない可能性がある」と説明。「侵略行為に対抗する国際協力への支援」の検討を与党協議に諮る。公明党の異論は避けられない。
政府は過去の自衛隊活動で「武力行使との一体化」を避けるため、米軍などによるアフガニスタン攻撃やイラク戦争に際しては特別措置法を制定した上で、自衛隊の支援活動を「非戦闘地域」での給油や輸送に限定してきた。「一体化」の定義は「個別ケースで判断する」とあいまいだった。
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