天然ガス車の人気伸びず〜テキサス州は購入者に還付金

 天然ガス生産が空前の高水準となっている米国だが、天然ガスで走る自動車は依然としてドライバーに敬遠されている。

 オイルプライス・コムによると、圧縮天然ガス(CNG)を燃料とする乗用車はほんのひと握りで、燃料補給所は皆無に近い。補給所がなけれけば自動車メーカーがCNG車を製造することもなく、消費者がなければ補給網を構築しようという企業も出てこない。

 CNGは今のところ、予測可能な経路で走る公共バスやUPS、フェデックスなどの宅配便トラックなどに利用が限定されている。

 テキサス環境質委員会(TCEQ)は今週、CNG車や液化石油ガス(LPG)車、電気自動車(EV)といった代替燃料車の購入に2500ドルの現金還付を行う制度の開始を発表した。これまでは対象が大型トラックに限定されていたが、乗用車・小型トラックにも適用し、最高770万ドルの報奨金を支給する。TCEQはまた、サンアントニオ市で補給所を1カ所開設した。

 ただ、こうした試みが州内、さらには全米の運転人口に対するCNG車の割合を変えることにはなりそうもない。ガソリン車をCNG車に改造するだけでも最低で数千ドルが必要になる上、CNGの価格は石油より変動しやすい。

 天然ガス車(NGV)の振興団体NGVアメリカによると、国内では約14万2000台のNGVが走っているが、補給所は1325カ所にとどまっている。

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