GMのリコールは訴訟が理由〜タカタ製エアバッグの不具合で

 自動車部品大手タカタ(東京都)製のエアバッグの不具合に絡んでゼネラル・モーターズ(GM)が2013〜14年型の小型セダン「シボレー・クルーズ」約3万3000台を新たにリコール(回収、無償修理)したのは、ジョージア州でクルーズを運転していた女性が事故の際に作動したエアバッグが原因で片目の視力を失い、GMとタカタ相手の訴訟を起こしていたためだったことが分かった。

 ロイター通信が関係者の話として伝えたところによると、訴訟は今年4月、アトランタの連邦地裁で起こされ、片目を失明したブランディー・オーウェンズさんがGMとタカタに損害賠償(金額は未確定)を求めている。原告は車と車の運転席側のエアバッグが「欠陥品であり、あまりに危険」と指摘した。タカタ製エアバッグが過度に強い力で膨らむ問題は長引いており、同社製エアバッグを理由とするリコールは世界で累計1050万台に上っている。

 オーウェンズさんの傷害事故は、昨年10月に起きた。13年型クルーズを運転していた当時25歳のオーウェンズさんが停止と発進を繰り返すうちに追突事故を起こし、その時エアバッグが「強力に作動したためハンドル中央部から外れて顔を直撃」した。その衝撃で左目が破裂し、完全に失明したという。警察の事故報告書によると、警官が現場に到着した時、エアバッグはオーウェンズさんの車の後部座席にあった。

 GMが運輸省道路交通安全局(NHTSA)に提出した書類によると、GMはオーウェンズさんの訴訟を5月1日に知り、4日後に問題となった13年型クルーズを調査。同月後半と6月に計3回、同局に事情説明を行った。ただ、書類では原告の氏名など訴訟の詳細は説明していない。オーウェンズさんの代理人やタカタ米法人の広報は訴訟について論評していない。

 タカタ製エアバッグの不具合に絡んでホンダや日産自動車、マツダなどが世界で新たに計300万台をリコールすると発表、米国では7社が、湿度の高い地域を対象にリコールを実施する。

 米国のリコールは、NHTSAが6月初旬に実施した調査を受けて発表された。当局は各社合わせて100万台以上を調査し、フロリダ州やプエルトリコでエアバッグが正しく膨らまなかった例が6件あるとの報告を受けた。ただ、NHTSAの調査報告書にオーウェンズさんの事故は記載されていない。同局によると、クルーズのエアバッグ膨張装置は新しく、今回の調査には含まれなかった。また、クルーズのリコールは他社の今回のリコールとは関係ないという。

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