GM車販売にリコールの影響なし〜中古車の価値も持続

 ゼネラル・モーターズ(GM)は、点火スイッチの欠陥問題で累計約2900万台をリコール(回収・無償修理)したが、新車に加え中古車販売でも打撃を受けていないようだ。

 AP通信によると、専門家は、GMが安全問題に素早く対処したことで消費者の信頼を保ったと指摘する。GMの5月の米新車販売台数は、前年同月比で13%の伸びを記録、また6月の新車販売台数に関しても、前年同月比1%増だった。

 リース車の価格決定でディーラーが参考にする残存価額の指標サービスALG(旧オートモーティブ・リース・ガイド)のラリー・ドミニク社長は、GMの一連の対応について「人々は『不注意だった』というよりも『注意深い』と受け止めている」と指摘する。

 ALGによると、2010年型シボレー「マリブ」の価値は、リコールが発表された2月から5月までに3%上昇している。一方、マリブが含まれる中型車は全体で1%価値が下がっている。マリブは14年だけでも5件のリコールの対象になっている。

 他のGM車の価値も、シボレー「コバルト」を除いて大半が上昇している。コバルトは点火スイッチの欠陥が発覚した最初の車で、少なくとも13人の事故死者のうち9人がコバルトに搭乗しており、約100万台がリコールされた。

 ALGによると、10年型コバルトの価値は期間中に2.4%低下した一方、小型車は全体で約3%上昇している。

 GMのリコール問題は今も収束の兆しが見られないが、自動車情報カーズ・コムの上級アナリスト、ジェシー・トプラク氏は、消費者がリコール問題に対してより敏感になったとしても、新車市場のシェアへの打撃は小さいと予想。これまで以上の値引きや「狙いを定めたマーケティング努力によって緩和できる」と語った。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る