IBM、ワトソンをビザ箱大に劇的小型化 〜 新型マイクロコンピュータで革新

 IBMの研究者らは、スーパーコンピュータにこれまで採用されてきた大きな統合回路基板をスマートフォンほどの大きさに縮小したマイクロコンピュータを発表する。

 IBMはそれによって、同社のスーパーコンピュータ「ワトソン(Watson)」をピザの箱くらいの大きさに小型化しようと狙う。

 コンピュータワールドによると、IBMはオランダ・ラジオ天文学研究所(Netherlands Institute for Rado Astronomoy=ASTRON)と共同でマイクロコンピュータの試作品を今週中に発表する予定。

 両社は現在、5年計画のもとに世界最大の天体望遠鏡を建造するプロジェクト「Dome to develop technologies for the Square kilometer Arra=SKA」を進めており、近く発表するマイクロコンピュータをそこに採用する計画。天体望遠鏡は2024年に実装される予定。

 試作品のマイクロコンピュータの大きさは133ミリx55ミリ(アイフォーンほどの大きさ)で、演算処理能力は、サーバーで使用する305ミリx245ミリの回路基板に匹敵する。組み込み型として一般的に使われる12コア・プロセッサ「T4240」を搭載している。

 IBMはまた、128個のマイクロコンピュータを組み合わせた高等システムも発表する予定。高等システムはブレード・サーバーのように機能する業務用電算機器の頭脳となり、その性能は10倍の大きさのサーバーと同等になる。

 また、最大で6テラバイト(TB)のDRAMを搭載でき、電力消費量は55〜60ワットと低く抑えられ、1536個のコアを使って3072のスレッドを同時に処理できる。

 IBMのロナルド・ルイテン研究員によると、業界が今後直面する課題として、大規模データ(Big Data)を扱うデータ・センターの莫大な電力消費量増加がある。ルイテン氏は、2016〜2020年の間にその課題が深刻化すると予想する。

 ルイテン氏によると、データ・センターの電算機器類が電力をもっとも使うのは、データをある場所から別の場所に移動させる時だ。そのため、統合回路基板のサイズを縮小させることによって、データ転送距離を短くし、できるかぎり低消費電力のコンピュータ設計が重要となる。

 ルイテン氏によると、マイクロコンピュータの開発自体は長期にわたるが、同社が所有するサーバー組み立てに関する技術とノウハウを組み合わせることによって最新サーバーを迅速に市場投入できる見込みだ。

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