郵便局、大口の小包料金を最大58%値下げ
- 2014年9月8日
- 米国ビジネス
米国郵政公社(USPS)は、年末商戦に向けオンライン小売店の小包取扱量を増やすため、大口顧客に対する大幅な値下げを実施する。
ウォールストリート・ジャーナルによると、USPSは8月、年間5万個以上を発送する顧客の一部のプライオリティ・メール料金について、58%の引き下げを政府の郵便規制委員会(PRC)に認められた。
郵政公社はPRCへの申請書類で「従来の価格では高すぎて競合できない」と説明したが、競合するユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)とフェデックスの宅配大手2社は「ほぼ独占状態の地位を活用して、急成長するeコマース分野の小包取り扱いを不当に拡大しようとしている」と反発している。
値下げ発表を受けて、eコマース企業の中には郵政公社の利用をすでに決定した、または検討しているところもある。発送戦略コンサルティングのシップウェア(Shipware)のロブ・マルティネス社長は「多くの荷主が郵便局のサービスに再び注目している」と話した。
フォレスター・リサーチの調査では、2013年の国内オンライン小売業者向け配送サービスの市場規模は2630億ドル。巨額の赤字にあえぐ郵政公社は近年、さまざまな新戦略に取り組んでおり、アマゾンとはすでに20地区以上で日曜配達で提携し、サンフランシスコでは生鮮品配達も試行中だ。郵政公社は過去23四半期中、21四半期で損失を計上している。
今回の大幅値下げは、消費者に直接の利益はないものの、eコマース企業が配送無料サービスを提供しやすくなる。一方のUPSとフェデックスは、7月にそれぞれ地上配送料金の実質値上げを発表した。小売店からの軽量でかさばる荷物を減らすため、15年からは重量ではなく寸法による課金を始めるほか、燃料や辺地への配達などに追加料金を請求する予定だ。
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